香りという道


ずいぶん前に、当時の仕事の仲間と一緒に「香道」を習ったことがあります。
きっかけは、会社の福利厚生企画の中にあった単発のイベントに、岐阜にある素敵な施設で香道を体験して、フレンチを食べて帰ってくる。という、なんともおいしいものがあったことです。
実はそれよりもずっと前、知り合いに誘われて北鎌倉にある東慶寺で、「源氏香」という香席に参加したことがありました。
私の正解率は低いものでしたが、世の中にはなんて洒落た遊びがあるんだと心を弾ませた記憶が残っていました。
そんなわけで、イベントをみつけるや数人を道連れにして、岐阜へ向かったのでした。
そこでまた愉しさを発見して友人としばらく先生のところへ通いました。( 岐阜ではなく自転車で通えるところに教室がありました。)
毎回テーマに合わせてそれぞれが菓子を持ち寄って香席の後にお茶を飲みながら感想を言う、という時間もありました。

香道とはどんなことをするのか、簡単に言ってしまうと香り当てゲームです。
雅な遊びのなかでは、香りを「嗅ぐ」とは言いません。「聞く」のです。
神経を研ぎ澄ませて聞く香りは、イマジネーションが湧いてきて、流れている時間や空間を変えるような体験です。

そしてそれは、細かくするとはいえ香木を使うため、とても贅沢な遊びでもあります。
それなりにお金のかかる習い事だったことで長くは続けられませんでしたが、友と通った良い思い出です。

香りの愉しみかたは様々です。

Hana-akari

こんにちは、Hana-akariです。どんなときを過ごしてますか? こちらでは、香りや旅をテーマに発信していきます。 「花明かり」とは、満開に咲いた花のまわりが明るく感じられることです。 この言葉は、わたしが好きな日本語のひとつで、国語辞書の大辞林には“桜の花が満開で、そのあたりの闇がほのかに明るく感ぜられること”とあります。 そんな“気配”すら感じさせる花には人を惹きつけるものが宿っています。

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